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家と税金と住宅ローンと

家を建てると、

10年間税金の還付を受けることが出来ます。

(現在は期間限定でさらに3年間延長されています)

 

この制度を「住宅ローン控除」というのですが、

具体的には、各年末のローン残高の1%を上限として、

まずは所得税が控除され、控除しきれなかった分を

住民税から控除してくれるというものです。

  

 

 

さて、今回は、

住宅ローン控除について掘り下げつつ

「節税」をテーマにお伝えしていきたいと思います。

 

例えば、年収600万円の方は、

所得税を年間で約20万円、

住民税を年間で約30万円収めていると思いますが、

この方が家を建てると、住宅ローン控除によって、

最大336,500円もの所得控除を受けることが出来ます。

(計算式→所得税200,000円+住民税136,500円)

(*注:住民税控除は136,500円が上限です)

 

つまり、この方の場合、

借入残高が3365万円(336,500÷1%)を下回るまでは、

控除枠を上限いっぱいまで使えるということになるのですが、

とはいえ、返済面から考えると、

確実に借入額をもっと減らしたいところですよね。

 

家を建てると今まで必要なかった費用が諸々かかるし、

家を建てるかどうかにかかわらず、

子供たちの進学資金も貯めないといけないし、

同時に老後への備えもしていかないといけないからです。

 

ということで、ここからは

もう少し現実的に考えていきたいのですが、

仮にこの方が2700万円借入れをしたら一体どうなるのでしょうか?

 

この場合、最も節税効果が高いのは、

最も借入残高が大きい1年目なのですが、

1年目の年末残高が2670万円だとしたら、

この方は、最大で267,000円の所得控除を受けることが出来ます。

 

つまり、まず納めている所得税が満額返ってきて、

控除しきれなかった67,000円は、

住民税から控除されるというわけですね。

 

なかなかなボーナスですよね。

でも、もうちょっと踏み込んで考えてみると、

実は69,500円分所得控除枠が使い切れていませんよね。

136,500- 67,000円 = 69,500円)

(最大控除額 - 実際控除額 = 控除枠余り分)

 

そこで、オススメなのが私的年金のiDeCoです。

掛け金全額が所得控除の対象になるからです。

 

例えば、iDeCoに毎月上限いっぱいの

23,000円を積立していったと仮定すると、

年間で276,000円分、所得控除を受けることが出来ます。

 

つまり、この年収の方なら、

所得税、住民税ともに税率は10%だと思うので、

それぞれ27,600円ずつ控除されるというわけですね。

 

となると、まずはiDeCoによって

27,600円が所得税から控除されるため、

住宅ローン控除によって控除される

所得税の額が172,400円になります。

200,000- 27,600円 = 172,400円)

 

そして、その結果、

住民税から控除される金額が増えます。

267,000-172,400円=94,600

こんな感じですね。

 

数字が並ぶとちょっとややこしいのですが、

要はiDeCoに加入したことによって、

より節税効果が高くなったというわけですね。

具体的には所得税、住民税ともに

27,600円ずつの合計55,200円分です。

 

「節税」をうまく利用してお金を増やすこと

 

この話から伝えたいことは、

所得が高くなれば納める税金の額も高くなるため、

所得が高めの方は家を建てると同時に、

iDeCoにも加入した方がいいということです。

 

また、個人的には、

iDeCoと同時に「つみたてNISA」を利用し、

毎月コツコツと積立投資もしたほうがいいと思っています。

教育資金や老後資金をつくっていくためには、

あなた自身が働くとともに、

今のうちからお金にも働いてもらう必要があるからです。

そして「つみたてNISA」にも

iDeCo」同様に大きな節税効果があるからです。

 

お金のことに関しては、

知っていることによって損することはほぼありませんが、

知っていないことによって損することがたくさんあります。

 

住宅ローンにせよ、住宅ローン控除にせよ、

iDeCoにせよ、つみたてNISAにせよ、

生命保険にせよ、なんでもです。

 

そんなわけなので、

家づくりをきっかけとして、

お金のことについても

家と同じぐらい勉強してみてくださいね。